ニッポンの本当におもしろいを巡る旅

丹沢自然学校エコツアー (第8話 旅のおわりに)

最終地点の西丹沢自然教室は、今回お世話になった

「NPO法人 丹沢自然学校」の拠点にもなっています。

2009年3月にリニューアルオープンしたばかりで、

登山者や観光客の情報・交流の拠点になっています。

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「丹沢の自然談義に花が咲く、山小屋の食堂のようなビジターセンター」を目指されて

いるそうで、中は居心地の良い喫茶店のよう。

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外装の板張りには、全て神奈川県産のスギ板を使用し、

照明を蛍光灯に付け替えたり、バイオマスエネルギーを活用した

ペレットストーブを導入したりすることで、自然環境への配慮もしています。

訪れた日は、家族連れや中高年の登山者などが大勢いて賑やかでした。

 

エコツアーを終えて。

実際に行くまでは、何か特別なことをしなくてはいけないのかと

少し敬遠してしまう部分がありましたが、

今回のツアーは、実際に歩きながらひたすら丹沢の自然を楽しみ、

理解を深めていくことができるというものでした。

実は私も神奈川県民ですが、地域の成り立ちや特徴に対する

知識が深まると、地元への愛着が増してくるので、不思議なものです。

こんなふうに、丹沢の自然を体験した人々が理解と愛着を深め、

その魅力を身近な人々に伝えていくことが、この地域の貴重な資源を守り、

さらに良い方向へと発展させていく力になるのでしょう。

ガイドの佐藤さんには本当に感謝です。

 

旅の終わりに温泉へ。

西丹沢自然教室のすぐそばに、信玄の隠し湯といわれる

中川温泉があるので、ここで汚れと疲れを洗い流しました。

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泉質はアルカリ単純泉で、その昔、信玄が北条氏との合戦で傷ついた

兵士を入浴療養させたという伝説まであり、傷の回復、胃腸病などへの

効果の他、美肌効果もあるそうです。

 

今回おじゃましたのは「戦国浪漫の宿 信玄館」。

中川温泉郷の中でも一番古い源泉を利用している、歴史あるお宿です。

▼「戦国浪漫の宿 信玄館」の詳しい情報はこちらから⇒信玄館 HP

 

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神奈川県(山北町)

丹沢自然学校エコツアー (第7話 山をおりる)

閑話休題。

今回は、エコツアーに話を戻します。

 

畦が丸山頂の山小屋でお昼を食べ終わってからも、

雨はやみません。それでも、雨具を着て下山を始めることにしました。

外に出てみて驚いたことに、

木々が雨を遮ってくれるので、思ったほど濡れません。

これは、木々が雨を受け止めて、葉や幹に吸収してくれるからだそうです。

 

「ほら、山ツツジですよ」「あっ、野生のフジの花」

ガイドの佐藤さんが次々に草花や木々について教えてくれます。

 

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 今回は珍しいギンリョウソウにも出会えました!

 

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「下りは、覚えた木のおさらいをしていきましょう」と

雨で意気消沈しがちな私達を励まし続けてくれます。

ブナ、イヌブナ、ミズナラ、カエデ、リョウブ、ヒノキにスギ・・

丹沢には、標高800m以上の場所にブナ林が広がっているそうですが、

丹沢のブナ林は日本海側のブナ林と違い、

様々な樹木と一緒に森林を作っており、ブナ以外の樹木の方が多いそうです。

この豊かな植生が、ツキノワグマやニホンジカをはじめとする

様々な生き物を育んでいます。

 

歩いていると、

「植生保護柵」という表示のついた、柵に囲われた場所が出てきました。

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これは、ブナを中心とした植物が、増えすぎたシカに食べられないように

保護するもので、絶滅が危惧されていた植物が回復するなどの効果が

出ているようです。

 

雨はいつの間にやら小降りに。

歩き始めてから、約7時間。

ついに最終地点の西丹沢自然教室に辿り着きました。

 

 

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神奈川県(山北町)

丹沢自然学校エコツアー (第6話 足柄茶を楽しむ)

エコツアーの途中ではありますが、今回は「足柄茶」をご紹介します。

足柄といえば金太郎さん。

足柄茶も金太郎マークが目印です。

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足柄茶は、関東大震災後の復興事業として農家にお茶の種が配られたのが

始まりで、水はけが良く霧の深い、お茶の栽培に適した気候に恵まれていた

ことから、この地に根付いたそうです。

 

山北町に神奈川県農協茶業センターが運営する直売所があるので、

立ち寄ってみました。直売所の目印も金太郎マークです。

 

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足柄茶の大きな特徴は、生産者が共同組合をつくり、

茶葉の栽培から販売までを行っている点だそうです。

通常、お茶の生産と製造工程は独立しており、

このような一貫体制をつくること自体が難しいようですが、

足柄茶は、肥料や農薬管理も含めて

全てを神奈川県の農協茶業センターが行い、安定した高品質のお茶を

供給しています。

 

お茶の特徴としては、飲みやすくて扱いやすく、比較的お手頃な値段で

手に入れられるということろでしょうか。

渋味と甘みのバランスが良く、アミノ酸が豊富だそうで、

すっきり飲みやすいのに、深い旨みがあります。

 

地域が育んだ食文化を知ると、その背景に風土や人々の姿が垣間見えてきます。

気候風土の恵みと、人々の努力によって作り続けられる足柄茶。

「かながわの名産100選」にも認定されています。

 

▼足柄茶の詳しい情報はこちらから⇒神奈川県農協茶業センター HP

 

 

 

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神奈川県(山北町)

丹沢自然学校エコツアー (第5話 山頂へ)

花や緑、野鳥のさえずりを楽しんでいるうちに、

いつの間にか登り坂が急になってきます。

山頂に近づくほどに、きつくなる登り坂。

登れども登れども、山頂に辿り着かず。

しかも雨が降ってきました。

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丹沢は平地に比べると雨が降りやすく、

それが、豊かな自然を作りだしているのだと思えば

雨もまたよし。

ガイドの佐藤さんの励ましに支えられながら山頂に到着しました。

山小屋に入り、やっとお昼ご飯です。

ここで佐藤さんから「足柄茶」をご馳走になりました。

疲れている時の日本茶は、心身に沁み渡りますね。

 

足柄茶は、丹沢の麓の山北町を中心に、

秦野市・松田市・南足柄市・小田原市などで栽培されているそうで、

麓のまちのあちらこちらに、茶畑が広がっています。

 

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神奈川県(山北町)

丹沢自然学校エコツアー (第4話 丹沢の森と水)

 山は、歩き続けても飽きることがありません。

今回は、ガイドの佐藤さんのおかげでもあります。

丹沢の成り立ちや特徴がわかるものを見つけると、丁寧に説明してくれます。

オオルリ・コルリなど、野鳥の声も敏感に聞き分けて、

すかさず教えてくれます。

 

歩いていると沢や川などの水の流れが、あちらこちらに現れます。

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このあたりの沢や川は、雨の少ない時期でも涸れることがなく、

神奈川県の貴重な水源地域になっています。

この豊富で良質な水を育んでいるのは、丹沢の森林です。

雨や雪が、木々や下草を通してゆっくりと土の中に吸収され、

地下にたくさんの水が蓄えられていくそうです。

 

ところが、この豊かな森林にも環境の変化が起きています。

開発などにより、シカが標高の高い山の奥や里山などの限られた場所に

定住して過密化し、森林の下草を食べてしまったため、下草や落ち葉が減り、

土が水を蓄える力を落としてきているそうです。

その結果、栄養豊かな土が流されて森林の育成を阻み、

洪水が起きやすくなるなどの悪影響を及ぼしているそうです。

 

沢の水は驚くほど透明で、口に含むとクセのない柔らかさがありました。

この水を守るためには、森林やそこに住む生き物のことも含めた、

全体の絶妙なバランスに配慮しなくてはいけないようです。

 

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神奈川県(山北町)

丹沢自然学校エコツアー (第3話 丹沢はどうやってできたのか)

さて、いよいよエコツアーの開始です。

今回は、畦が丸(あぜがまる)という山梨県との県境に近い山に

登ることになりました。

 

集合場所でガイドの佐藤さんと合流。

まずは、ストレッチ運動と「観察力テスト」なるゲームから。

体も心もほぐれたところで、ツアー開始です。

 

ブナにウツギ、ホオノキ・・。

歩き始めるとすぐに、木々の緑の、色と香りに包まれます。

 

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丹沢は「谷だらけの山地」という意味だそうで、

それだけ山が険しく、川や沢が多い場所です。

これは、丹沢山地の成り立ちと深く関わりがあります。

約1,500万年前に海中に生じた海底火山であった丹沢が、

約600万年前に本州にぶつかり、さらに約100万年前、

伊豆が丹沢にぶつかったため、本州と伊豆に挟まれて激しく隆起し、

現在のような険しい山地になったそうです。

この地殻変動は現在も続いており、関東大震災などの大規模な地震が起こる

原因にもなったようです。

 

「これ何だかわかりますか?」

ガイドの佐藤さんが、茶色の小さな石粒のようなものを

手に取って見せてくれました。

「スコリアです」

スコリアとは、火山噴出物の一種だそうです。

丹沢の地質は、溶岩がゆっくり冷えて固まった深成岩と

火山岩や火山灰などが堆積してできた層から成っているようです。

 

おだやかな風景の中に、とてつもない地球のドラマがあるものです。

この地域の地殻変動は活発で、丹沢山地はまだ隆起し続けているというのですから、

地球のパワーは絶大です。

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丹沢自然学校エコツアー (第2話 エコツアーについて、すこし)

ツアーに出発する前に、そもそもエコツアーとはどのようなものなのか、

理解を深めておかなくてはなりません。

 

エコツアーは、エコツーリズムの概念と関連付けて

考えられるもののようで、日本エコツーリズム協会のHPには、

次のように紹介されていました。(以下HPより抜粋)

「日本エコツーリズム協会が考える『エコツーリズム』の定義

本文

エコツーリズムとは

1.自然・歴史・文化など地域固有の資源を活かした観光を成立させること。

2.観光によってそれらの資源が損なわれることがないよう、適切な管理に基づく保護・保全

  を図ること。

3.地域資源の健全な存続による地域経済への波及効果が実現することをねらいとする、

  資源の保護+観光業の成立+地域振興の融合をめざす観光の考え方である。

  それにより、旅行者に魅力的な地域資源とのふれあいの機会が永続的に提供され、

  地域の暮らしが安定し、資源が守られていくことを目的とする。

付記

1.エコツアーとは、こういったエコツーリズムの考え方に基づいて実践されるツアーの

  一形態である。

2.エコツーリズムの健全な推進を図るためには旅行者、地域住民、観光業者、研究者、行政

  の5つの立場の人々の協力がバランス良く保たれることが不可欠である。

3.環境の保全を図りながら観光資源としての魅力を享受し、地域への関心を深め理解を

  高めてもらう手段としてのプログラムがつくられるべきであり、地域・自然・文化と旅行者の

  仲介者(通訳の能力を持ったガイド)が存在することが望ましい。」

 

エコツーリズムの解釈は一つに定まっていない、というのが現状のようですが、

環境問題の深刻化、過剰利用による自然環境の破壊などが発生していることに加え、

地域経済の停滞などの問題が背景にあり、

地域資源の保護・保全そのものが、地域振興の実現につながる可能性を持っていることから、

エコツーリズムの重要性が高まっているようです。

 

今回ガイドをしていただく「NPO法人 丹沢自然学校」も、

丹沢の自然・文化を人々に伝え、地域に暮らす人々との交流を図り、

自然環境と地域文化の保護・保全に貢献することを目的として

2009年5月に設立されました。

丹沢には、南関東では数少ないブナの森があり、

ツキノワグマやシカなどの様々な野生動物が生息する豊かな自然があります。

また、神奈川県の水源としての役割を果たすほど、良質で豊富な水に恵まれた

地域でもあります。

一見すると素晴らしい自然しか目に入りませんが、

周辺地域の都市化による大気汚染や温暖化による悪影響を、確実に受けているようです。

 

丹沢自然学校では、主にガイドツアー・登山道の清掃補修・自然文化についての調査・

森を守る活動を行うことで、丹沢の自然や地域の文化を次の世代につなげていこうと

しています。

NPOのメンバーは、それぞれ仕事を持ちながら土日に活動をしているとのことで、

地元以外からも参加している方がいるそうです。

企画しているツアーは山登りだけではなく、沢登りや里歩きなど、

様々な角度から、地域の自然や歴史・人々などへの理解を深められるように

なっています。

▼丹沢自然学校やツアーの詳しい情報はこちらから⇒丹沢自然学校 HP

 

 

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丹沢自然学校エコツアー (第1話 いざ、エコツアーへ!)

エコカー、エコポイント、エコ検定・・・

近ごろ「エコ」の付く言葉は増える一方。

 

人の活動によってCO2などの温室効果ガスが大量に排出され、

地球温暖化が年々深刻化しています。

海面の上昇・干ばつ・洪水・森林火災など様々な弊害を引き起こす

温暖化をくい止めるため、温室効果ガスを削減し、低炭素社会を実現すべく、

政府も企業も取り組みを始めています。

 

リサイクルや省エネ対策など、個人でできる活動も、

少しずつ浸透してきているように思います。

できることから、ひとつずつ。

 

ということで、エコツアー。

よく耳にして興味はあったものの行く機会がなかったので、

どのあたりが「エコ」なのか、実際に行って確かめてみることにしました。

場所は、神奈川県の県西に広がる丹沢です。

今回は、今年5月に発足したばかりの「NPO法人 丹沢自然学校」の方に

ガイドを頼み、エコツアーを体験することにしました。

 

※丹沢の詳しい情報はこちらからご覧ください

e-Tanzawa自然環境情報ステーション HP

 

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