祭が地域をつなぐ(第8話 最後に、忘れられない旅の味)
「天岩戸温泉茶屋の温泉だんご」と「高千穂バーガー」
「千人の蔵」からすこし行ったところに「天岩戸温泉茶屋」があります。
ここは、「千人の蔵」と同じむらおこしグループが運営しており、
グループのお母さんたちが作る「地鶏うどん・そば」や「温泉だんご」を
いただくことができます。
私は、温泉だんごの「小豆」と「芋あん」をいただきました。
思ったとおり、甘すぎなくて素材の味そのままのやさしい味。
お土産に買って帰り、蒸かして食べるとまた格別。
「高千穂バーガー」は、高千穂のブランド牛「高千穂牛」で
作ったジューシーなパテが、地元産の野菜と一緒に
黒米入りのバンズに挟まったゼイタクなご当地バーガー。
高千穂峡近くの「石の蔵」というお店で食べられます。

「高森の田楽」
もう一つ忘れられない味がありました。
熊本と高千穂の間の高森という場所にある「高森田楽保存会」の田楽。
なんと、鎌倉時代から続くという郷土料理だそうです。
昔ながらの囲炉裏に炭がくべてあり、三年ものの味噌が塗ってある
ヤマメ・豆腐・こんにゃく・小芋などが、炭火のまわりをぐるりと
取り囲んでいます。
味噌が焦げないように見張りながら「だご汁」なども楽しめます。
窓の外には、雄大な根子岳(ネッコダケ)を望むこともでき、
目にも舌にもおいしい郷土料理を味わえます。
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祭が地域をつなぐ(第7話 千人の蔵)
高千穂町の人々のつながりの強さや魅力を感じた場所が
もう一つあります。「千人の蔵」という石蔵のカフェです。
ここは、地元のむらおこしグループの方々が、
まちづくりの拠点にしようと、一口一万円の建設資金を募って
使われなくなっていた石蔵を隣町から移築・改装して
カフェを作ったのだそうです。
コーヒーを頼むと、軽く干した甘い柿がついてきました。
いわゆる干柿ではなく、甘い柿を一日干しただけのものだそうですが、
ほど良い甘さでコーヒーとよく合います。
厨房をのぞかせてもらうと、干柿作りの真っ最中。
「どんなふうに干すのか、見せてあげる」と、
お店のお母さんたちが干柿の結び方を実演して見せてくれました。

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祭が地域をつなぐ(第6話 人々のつながりが祭を生み出し、祭が地域をつなぐ)
朝の10時ごろに祭は終わりました。
家の外には、祭を裏で支える台所役の女性達、
飾りの準備や案内役の人々が、無事に祭を終えられた
喜びの面持ちで、早々と片付けに取りかかっています。
年に一度のハレの舞台を終え、
これからねぎらいの宴でも始まるのでしょうか。
旅の間、「夜神楽を見に東京から来た」というと
地元の方々が嬉しそうに色々な話をしてくれました。
昔の夜神楽には気性の荒い若者がいて、もっと熱気があったこと。
学校には神楽のクラブがあって、このあたりの子供達は小さい頃から
神楽に親しんでいることなど。
中でも、タクシー運転手のおじさんの話が印象的でした。
「近頃は暖かくなったからねえ。
昔は雪がちらほら降ってくるぐらい寒くて、でも
本当の夜神楽はそうでなくちゃ。」
地元の祭に対する愛情と誇りが垣間見えます。
育った場所に、そんなお祭があるというのは、
幸せなことです。
こうして、私達の初めての夜神楽体験は終わりました。
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祭が地域をつなぐ(第5話 神々を送り出す)
夜神楽はどんどん盛り上がってきましたが、夜もふけて
11時を過ぎていたので、いったん宿に戻ることにし、
翌朝早くもう一度神楽宿に向かうことにしました。
一晩明けて再度神楽宿を訪れると、舞手の方々にも見物客にも、
色濃い疲れが見えましたが、祭のフィナーレに向けて一種の結束感が
漂っています。
夜明けにふさわしく、天照大神が岩戸から出てくる場面が
始まりました。

(鈿女命(ウズメノミコト)が岩戸の前で舞い、天照大神を誘い出します)
神楽はクライマックスを終え、一気に終盤へ。
舞人達が「神庭」を出て、神が舞い降りるという「外注連(そとじめ)」に
向かい、注連を持って神々を送り出す「繰下」という舞を始めました。

祭りの締めは、見物客も参加して「神庭」の上に取り付けられた
「雲」と呼ばれる天蓋のようなものを引き下ろします。
舞に使われた紙飾りが次々に取り払われ、見物客に配られました。
持っているとご利益があるとか。
(見物客も一緒に、神楽のステップを踏みます)
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祭が地域をつなぐ(第4話 すこし、高千穂の夜神楽について)
高千穂の夜神楽は、天照大神が天岩戸に隠れて、
天地が暗闇になったので八百万の神々が困り、
出てきてもらうために芸達者な鈿女命(ウズメノミコト)が
岩戸の前でおもしろおかしく歌舞を舞ったのが
始まりといわれていますが、正確にいつから始まったのかは
わからないそうです。
高千穂神社の祝子(ほうり)たちによって伝承されてきた秘伝であったものが、
明治以降、広く高千穂郷内の各地区で舞われるようになったようで、
収穫感謝や太陽復活、鎮魂儀礼、五穀豊穣祈念の祭としての性格を持ち、
地区ごとに氏神様を神楽宿にお招きし、
夜を徹して33番の神楽を奉納するもので、国の重要無形文化財に指定されています。

(神楽宿に指定された家には「棟飾り」といわれる魔除祓いの弓と御幣が立てられる)
祭は地区の人々が総出で行うそうで、総指揮役の「元締」をはじめ、
神楽を舞う人、その世話をする人、警備や炊事を行う人など
それぞれに役目があって、地元の方々の手で作り上げていくもののようです。
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祭が地域をつなぐ(第3話 夜神楽が始まる)
受付で初穂料を渡してから中に入れてもらいます。
既に舞が始まっており、見物のお客さんがギッシリ。
家の中は、障子や襖などの仕切りが取り払われ、
中央には神楽を舞う場がしつらえてあります。
ここは「神庭(こうにわ)」というそうで、
神が舞い降りて里人と遊ぶ神聖な場所とのこと。
周りを見渡すと、他のお客さんたちは、たっぷりと着込んで
毛糸の帽子を被ったり、ひざに毛布をかけたりと準備万端。
夜神楽を夜通し楽しもうというベテランの方がたくさんでした。
一方、夜神楽「初心者」の私達は見るからに着込み方が
足りないようで、すぐに初心者と見抜かれてしまいました。
さらに薄着なのが、舞手の皆さん。基本的には白装束。
家の中とはいえ、神様が入ってこられるようにと、
戸は全て開け放ってあるので、寒いことこの上ないのです。
笛と太鼓の調べにのせて、33番の神楽が厳かに舞われていきます。

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祭が地域をつなぐ(第2話 初!「夜神楽」)
熊本空港から九州に入り、レンタカーで南阿蘇を見物しながら
高千穂へ向かいます。
夜神楽が始まるまでは、まだ間があるので、まずは観光。
なにせ、高千穂は神々が降り立ったといわれる地ですから
見どころだらけです。
天照大神(アマテラスオオミカミ)が須佐之男命(スサノオノミコト)の
悪行に怒り、隠れてしまったといういわれのある天岩戸を御神体とする
天岩戸神社や、高千穂庄18郷88社の総社である、高千穂神社を訪れました。
いずれも、天照大神をはじめとする神々と深い関わりのある由緒ある神社です。


晩御飯の後、いざ夜神楽へ!
目指すは岩戸地区にある「酒井さん宅」。
なんと、氏子の個人宅が神楽の舞台になるのです。
見物客にはカッポ酒や煮物料理などの「ふるまい」があるそうなので、
心おきなくお酒も楽しむためにタクシーで現地に向かいました。
立冬も過ぎ、師走に向かうこの季節。
外はとっぷり日が暮れています。
高千穂の中心市街からタクシーで15分ぐらい走ると、
酒井さん宅の灯りが見えてきました。

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祭が地域をつなぐ(第1話 高千穂の夜神楽を見に行かない?)
九州の高千穂で夜神楽をやるから見に行こうという
お誘いがありました。
高千穂といえば、天孫降臨神話の地。
一度は行かなくてはと思いながら、まだ訪れたことが
ありませんでした。
しかも夜神楽まで見られるというので、ついに好機到来です。
高千穂の夜神楽は、高千穂の各地区で11月から翌年2月まで行われ、
氏神様を里の家に招き、夜を徹して33番の神楽を奉納するのだそうです。
「古事記」や「日本書紀」に登場し、高天原から初めて神が降り立った場所という
神話が伝えられる高千穂で舞われる神楽とは、いったいどんなものなのか。
それを、この地の人々はどのように伝えてきたのか。
興味は尽きません。
◆高千穂観光の詳しい情報はこちらから⇒「高千穂観光おすすめ情報」
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